2009年5月12日火曜日

接着剤 1

 
マジック用品はほとんどが考案者による手作りのため、携帯電話のように落下テストなどは行われておらず、輸送段階で壊れたり、商品によっては通常通り使っていても材料の良し悪しで破損したりする場合があります。
 
 
 
そんなときに必要になるのが「接着剤」です。
 
 
 
今日はその接着剤の代表的な物のお話。
 
(あくまでも私の経験と聞いた話なので科学的根拠はありません。 あしからず)
 
 
 
 
接着剤と言っても世の中には驚くほどの種類が出回っています。
 
 
 
大体の家庭にもあるのが「瞬間接着剤(以下瞬着)」ではないでしょうか。
 
 
ガンプラ世代の私の家にはガキの頃からタミヤ模型のプラモ用もありましたが。。。
 
 
 
この瞬着はそもそも外科用に開発されたらしく、指も良く着きますよね。
 
 
最近はあまりCMを見ませんが、かつては柱に瞬着を塗り、そこにウィリーさせたバイクの前輪をぶつけ、そのままタイヤが固定されるという印象的な物がありました。
 
 
このCMの影響か「とりあえず瞬着を使う」という人が多いようです。
 
 
瞬着は、張り合わせる表面を平らにした上で埃などを綺麗に取って接着します。
 
最近は改善されている物もありますが、多くは接着材を添付した周囲が白濁する。
 
張り合わせた面に対して垂直方向への力がかかるときは強いが、水平方向に関しては弱い。
 
という特製を持っています。
 
 
これらの特製を考慮すると、瞬着は強力な吸盤を表面に作るような物とイメージできます。
 
つまり、吸盤が着きそうにないところには使用しない方が良いということです。
 
 
 
木工製品などが破損して修理依頼をいただき、届いた物を見ると明らかに瞬着を使った白濁した後が見える場合があります。 
 
 
これが一番困るパターンです。
 
 
瞬着は表面が硬化するため、別の接着剤を使うにはそれを綺麗に除去しなくてはなりません。
 
 
そうしないと二つの物体その物ではなく、それらの表面にある瞬着の膜と膜を接着することになりますので、いくら良い接着剤を後から使っても効果は期待できなくなります。
 

 
 
そこで登場するのが家庭でよく見る接着剤その2。
 
 
木には時間がかかりますが「木工用ボンド(以下木ボン」を使ってください。
 
 
瞬着は固定する二つの物体の表面でその効果を発揮し、水分はそこで蒸発します。
 
しかし木ボンはその水分を木材が吸収して接着されます。
 
従って、表面にニスが塗ってある場合はヤスリで削り取る必要があります。
 

 
 
接着部分のイメージは、瞬着が吸盤なら木ボンは釘を数本角度を変えて打ち込んでいるようなイメージでしょうか。
 
 
 
木ボンにもいろいろと種類がありますが、上記のように浸透吸収して接着という特製を考えると、速乾性のボンドよりも通常の黄色いパッケージのボンドの方が強力に接着されます。
 
 
 
大工さんの話では「ちゃんと接着」してやれば、ほとんど木と同じ固さで接着でき、縦横あらゆる角度からの力に強くなるとのことです。
 
 
 

でも、この「ちゃんと接着」というのがちょっとね。。。




なんせ乾燥時間は半日~1日で、しかもその間しっかりと固定する必要があります。
 
実際には1週間ぐらい置くのがベストらしいです。
 
 
 
「しっかりと固定」と言うのは表面の凹凸を出来る限り少なくするため、万力のようなもので「しっかりと固定」するわけです。
 
 
乾燥時間に開きがあるのは空気中の水分もそうですが、何よりも木の水分が影響するからです。


 
 
 
お急ぎの時は速乾性を使ってみるのも良いでしょう。
 
 
 
 
 
 
壊れた部分をそんなに長時間「しっかりと固定」し続けることはかなり難しい場合が多いですしね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なんせ、普通に使って壊れるぐらいデリケートな部分ですから。。。