ソフトコインとは「その1」で説明した通り、経年による磨耗により、コインの表面が磨り減った物を言いますが、磨り減るのは表面だけではありません。
コイン全体が磨り減りますので、当然のことながらエッジも無くなります。
さてそこで、今回はエッジのギザに関するお話をひとつ。
マジックに使うコインを選ぶ時、パームのことを考えてエッジの有無を重要視する人は多くいらっしゃいますが、私はまったくと言っていいほど気にしません。
その証拠に、写真のコインが私の愛用しているバーバーコインです。
ツルツルでしょ?
いや、別に「俺はこんなツルツルのコインでもちゃんと扱えるんだぜ!」と、自分が上手いと言いたいわけではないので誤解なきよう。。。
確かにギザがしっかりしている(鋭い)と手にくい付いてコインをホールドすることは比較的簡単になります。
しかし、あくまでもそれはコインをホールドし続けることが簡単になるということです。
実際にコインマジックの中で、パームしたコインをそのまま最後までホールドし続けることなんてまずありません。
それよりも、コインをパームポジションに入れるという動作と、パームポジションから外して手の中で動かすという動作の方が大半を占めます。
そして、この動作を行うとき、鋭いギザはとても邪魔な存在となります。
確かにコインを落としてしまって観客の目に触れるということは最悪なことですが、コインが消えた後に反対の手が異様にモゾモゾして観客に察知されれば、コインそのものが見えていなくてもそれはアウトではないでしょうか?
ギザが無いと安定して出来ない技法というのは「ムトベパーム」か「ハラダホールド」ぐらいだと思います。
ギザの無いコインをクラシックパームし、落ちないギリギリの力加減をマスターすれば、クラシックパームで何かをした後、容易にマッスルパスに移行することもできます。
ギザが無いコインでもそれにはそれなりの使いやすさというものがありますので、食わず嫌いではなく、一度トライしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ジャンボコインのギザはあくまでも飾りであり、私的にパームのしやすさから言うと、ギザ無しの方がかなり楽にパームできます。
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